大津市と草津市の総合計画には、「人口減少」の問題が触れられ、「市民が住みたいと思う街づくり」の分岐点になる「今」が重要であるという共通認識がある。しかし、今後を見据えた「都市経営」の核となる考え方に大きな隔たりがあることが、両市の行財政マネジメントを比較すると見えてくる。情報公開、公共施設、マネジメントの3項目で比較してみた。

情報公開 マネジメント 公共施設
草津市 計画、実施、評価、改善の各段階において、市民参加を促進し、市民の意見を適切に反映する。市民と情報共有を図っていく。オープンデータは、既に活用済み。 組織力・職員力の向上 ファシリティマネジメントにより最適な経営管理

 

大津市 知る権利を尊重し、行政としての説明責任を果たす。オープンデータの活用。 民営化や民間委託などの民間活用の推進 市立幼稚園の再編、小中学校の規模などの適正化、市民センター機能の見直し、市公営住宅のマネジメント

情報公開について、草津市は、「計画、実施、評価、改善の各段階において、市民参加を促進し、市民の意見を適切に反映する。市民と情報共有を図っていく」とし、市民との情報共有の推進を掲げている。草津市では、市財政など項目ごとに分類した統計データが、オープンデータとして既に公開されている。

一方の大津市は、知る権利を尊重し、行政としての説明責任を果たすとしているが、市政情報課の申請窓口に監視カメラを設置していたことについて、越市長は何も説明していない。さらに、オープンデータの活用を打ち上げているが、今年から始まった大津市のオープンデータには、財務関係の資料がない。

草津市では、行財政マネジメントを進める上での公共施設について、「ファシリティマネジメントにより、最適な経営管理を目指す」としている。一方、大津市は、「公共施設の統廃合、民間活用の推進を視野にいれた取組みを目指している」が、市民に対する説明責任は不十分だ。

行財政のマネジメントの展開法として、草津市は、公務員としての組織力と職員力の向上をあげているが、大津市では、職員の取り組みに対する言及はなく、民間活用の推進を掲げている。

参照:草津市オープンデータ

参照:大津市オープンデータポータルサイト

 

↓草津市の総合計画「地域経営の方針」

%e8%8d%89%e6%b4%a5%e5%b8%82%e3%80%8c%e5%9c%b0%e5%9f%9f%e7%b5%8c%e5%96%b6%e3%81%ae%e6%96%b9%e9%87%9d%e3%80%8d_01

%e8%8d%89%e6%b4%a5%e5%b8%82%e3%80%8c%e5%9c%b0%e5%9f%9f%e7%b5%8c%e5%96%b6%e3%81%ae%e6%96%b9%e9%87%9d%e3%80%8d_04

 

↓大津市の総合計画(実行計画部分)案の「徹底した財政改革を進め、確かな都市運営を進めます」

%e5%a4%a7%e6%b4%a5%e5%b8%82%e7%b7%8f%e5%90%88%e8%a8%88%e7%94%bb%ef%bc%88%e5%ae%9f%e8%a1%8c%e8%a8%88%e7%94%bb%e9%83%a8%e5%88%86%ef%bc%89%e6%a1%88_01 %e5%a4%a7%e6%b4%a5%e5%b8%82%e7%b7%8f%e5%90%88%e8%a8%88%e7%94%bb%ef%bc%88%e5%ae%9f%e8%a1%8c%e8%a8%88%e7%94%bb%e9%83%a8%e5%88%86%ef%bc%89%e6%a1%88_02 %e5%a4%a7%e6%b4%a5%e5%b8%82%e7%b7%8f%e5%90%88%e8%a8%88%e7%94%bb%ef%bc%88%e5%ae%9f%e8%a1%8c%e8%a8%88%e7%94%bb%e9%83%a8%e5%88%86%ef%bc%89%e6%a1%88_03 %e5%a4%a7%e6%b4%a5%e5%b8%82%e7%b7%8f%e5%90%88%e8%a8%88%e7%94%bb%ef%bc%88%e5%ae%9f%e8%a1%8c%e8%a8%88%e7%94%bb%e9%83%a8%e5%88%86%ef%bc%89%e6%a1%88_04