「僕らはこうして“不正”を見つけた 180日の調査報道」

NHK松江放送局が島根県議会議員の不正を、半年間かけて暴いていった取材経過を報じている。ベテラン県議が政務活動費140万円を不正に受け取っていたことを明らかにした。情報公開制度を使った調査報道として注目される。

取材班は、県議会議員37人の2015年度分の政務活動費を情報公開請求して入手。その中の1つ、出雲市のコンサルティング業者に、ベテラン県議会議員が委託した60万円の高額な調査費用の領収書が、記者の目に止まった。2015年度は50万円、2016年度は30万円と、同じコンサルティング業者に調査費用を委託していたことも判明し、ますます疑惑が深まった。

ここから取材班は独自の直接取材を始めた。県議はもちろん、コンサルティング業者にも取材を進め、さらに関係業者から重要な証言を聞き出した。調査報告書を1か月以上にわたって検証した結果、資料に書かれていたデータは根拠がない数字ということも判明。「調査報告書」の内容の真実性が崩れた。

コンサルティング業者は、この議員から依頼されたため、架空領収書を作成したことを認めた。その結果、県議も不正を認めることになり、議員辞職に追い込まれた。

情報公開制度を使った「調査報道」で、県議会議員の公金使途の不正を明らかにした事例である。全国各地で、同じようなケースが、まだまだ隠されているかもしれない。

↓2017年4月21日 NHK NEWs WEB

「僕らはこうして“不正”を見つけた 180日の調査報道」

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170421/k10010956921000.html