大津市にある都市公園の危険遊具107基が放置されている問題で、遅延の理由が変転していることが明らかになった。大津市は当初、「修繕の予算がない」と説明していたが、結局「やりくりができた」と言い始めた。

7月には「修繕費の予算がない」

大津WEB新報が7月、公園緑地課へ取材したところ、小型遊具の修繕が遅れている理由を、「6月の補正予算は、複合遊具22基の修繕費だけ。小型遊具の修繕費は、9月の議会で予算要求したい」と話していた。つまり、小型遊具の修繕費がないからできないと説明していた。

11月には「元々ある予算の中からやりくりできた」

しかし、11月に入り、大津WEB新報が、あらためて公園緑地課に取材すると、「元々ある予算の中から、やりくりできる目途がついた。これから修繕を始めていきたい」と説明を変えた。やりくりできた遊具の修繕費は、500万円だという。

「チェックする資格者が少なかった」とも説明

「元々ある予算から、やりくりできるのなら、もっと早くできたのではないか」と問うと、担当者は「遊具をチェックする資格者が少なくて、時間がかかった」と釈明した。市の説明は二転三転しており、何が本当の理由なのか分からない状態になっている。

一部の公園では現在、危険遊具のブランコの周囲に、ロープも立て札もなくなり、放置状態が続いている。公園は昼間なのに、閑散としたままだ。

越市長は説明せず

普段はメディアを使い、子どものための施策をしきりにアピールする越市長だが、中日新聞の記者に、滋賀報知新聞で報じられた危険遊具の問題について、3月の記者会見の席で問われると、「事実かどうかわからない」と他所事のような説明に終始していた。翌月には、ロープを張り、各地の遊具を使用禁止する措置を取ったが、定例記者会見では、全く触れずじまいだった。