情報公開制度に基づく市民からの開示請求に対し、大津市自治協働課はこのほど、大津市自治連合会長や市民部長の顔写真などを、「個人情報」に該当するとして、不開示(黒塗り)とした。文書は大津市自治連合会が作成した記念誌「六十年史」で、昨年10月に行われた記念式典で200人以上に配布し、712の自治会にも1部ずつ配布している。

所管の自治協働課は、大津市自治連合会長の内田一豊氏の顔写真のほか、あいさつ文を寄稿した大津市市民部長の日比均氏の顔写真、各学区の自治連合会長の氏名や写真などを不開示(黒塗り)とした。その理由について、記念誌に掲載した情報は「個人の氏名、住所、顔写真」が含まれているため、条例が定める「個人に関する情報であって、特定の個人を識別することができる」情報に該当するため、この部分を不開示にしたとしている。内田氏と日比氏の氏名と肩書きは開示し、顔写真だけは不開示(黒塗り)としたのか、その理由は明らかにされていない。

この記念誌は、昨年10月31日に琵琶湖ホテルで開かれた記念式典で参加者に配布されている。制作、印刷の費用(予算書計上)は1000部で約150万円、大津市からの補助金と会員からの会費が原資となっている。自治協働課の担当者は、顔写真を黒塗りについて「60周年記念誌は特定の人にしか配布しないもので、個人情報を保護するため」と説明している。市民部長の氏名は開示し、顔写真を黒塗りにしたことについては「ネット上で検索(名前)しても顔写真は出てこない。職員であっても個人の特定につながるため」と話している。

市民部長はあいさつ文で「大津市自治連合会が結成されて以来、住民自治意識の高揚を図り、常に地域住民の幸福を願い、地域の発展にご尽力いただいておりますことに深淵なる敬意と感謝の意を表する次第であります」と述べている。

参考記事1「自治会未加入者増はエゴによる弊害/大津市自治連合会長の挨拶文/自治会№1」

参考資料1「大津市自治協働課の公文書部分公開決定通知書」

参考資料2「60周年の記念冊子/大津市自治連合会長の挨拶文」大津市自治協働課の部分公開の黒塗り」

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参考資料3「60周年の記念冊子/日比市民部長の挨拶文」大津市自治協働課の部分公開黒塗り

 

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