大津市が支出する自治会関係への報償金と補助金について、使途については文書で報告を求めるだけで、大半については長年、領収書の提出を義務づけていなかったことが明らかになった。「領収書なし」を認めている事業は現在でも続いており、地方自治法が規定する「公益上必要がある」事業かどうか、チェックする態勢が極めて不十分だと言える。

大津市が自治会や自治連合会関係で支出している補助金(報償金含む)は、金額が多い順に、自治連合会の各学区や末端の自治会などに渡している「報償金」(年間約1億円)、「わがまちづくり市民運動推進会議」活動関連(年間約600万円)、「琵琶湖市民清掃」関連(年間約560万円)、「自治連合会運営補助金」(年間約300万円)などがある。

情報公開制度に基づいて開示された公文書や、大津市の担当者に問い合わせに対する回答などによると、受け取った補助金をどのように使ったかの内訳を示す収支決算書を提出しているのは、琵琶湖市民清掃と「安全なまちづくり事業」関連だけ。報償金、わがまちづくり、自治連運営については、領収書が添付されたことは過去に一度もない。

大津市自治協働課の課長は「大津市補助金等交付規則には、実績報告書に市長の定める書類を添えて提出とあり、領収書を必ず添付とは書いていない」としている。しかし、なぜ領収書や、支出の明細なしで、補助金の使途が適正に使われたかどうか判断することができるかについては、説明が一切ない。

一方、地方自治体の補助金について、地方自治法(232条の2)は「公益上必要がある場合においては、寄附又は補助をするこ とができる」と定めている。つまり、地方自治法によると、「公益上必要がある場合」に補助金の支出が許され、支出されたものは適正であったかどうかを、自治体はチェックしなければならない責任を負っている。

参考資料1「大津市から自治会(自治連合会など)へ支出の補助金一覧」

事業ごとの領収書有無 一覧表_01

参考資料2「市と自治連合会/補助金、報償金、会費の流れ」図解

市と連合会/補助金、報償金、会費の流れ_02

 

img002_01