大津市の越直美市長は、障害福祉課を市庁舎本館2階から本館の正面玄関1階へ移すことを決めたが、車イス利用者にとってはかえって不便になることが、現地調査から明らかになった。

市の管財課は、「障害者差別解消法」の施行にあわせ、障害福祉課を1階へ移設させ、車イスの来庁者の利便性をこれまでよりも高める、と説明している。しかし、現地を訪れて車イス利用者の移動経路などを確認してみると、実際は現状よりも不便になることが分かった。「越市長の単なる思いつきに過ぎず、自分の目で確かめていないのではないか」といった疑問の声が、市民の間から上がっている。

専用駐車場から本館1階までのルートをたどって調査した結果は、以下の通り。

↓管財課が作成した図に、身障者用の駐車場からのルートを、編集部が書き込んだ。従来通りのルートを赤色の矢印で、移設後のルートを黄色の矢印で示している。移設後(黄色)の方が距離が長い。

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↓市庁舎では、身障者用の駐車スペースは、本館の守衛室側の公用車専用駐車場にあるが、2台分だけしかない。

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↓この駐車場から、庁舎内に入るには、横にある守衛室の前を通る。守衛が介助するという。

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↓市庁舎本館(地下1階)の中に入ると、奥まった場所にエレベータがある。車イスを使う身障者はエレベーターへ向かうことになる。

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↓エレベーターに乗り、2階へ着くと、すぐ目の前が「障害福祉課」だ。

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↑しかし、3月中旬以降は状況が変わる。障害福祉課だけが本館1階の正面玄関そばに移る。駐車場からそこまでは、エレベーターに乗って、1階で降り、戸籍住民課と案内受付の前を通って、長い距離を移動することになる。他の福祉関係の課は本館2階に残るため、手続きや相談のためには、本館1階と2階をエレベーターで往復しなければならない。

↓1階へ移る障害福祉課の場所は、確かに正面玄関から最も近い場所にある。一見すると利便性が高まるように思える。正面玄関の階段脇はスロープになっている。しかし、横は駐輪場になっていて、身障者用の駐車スペースはない。

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↓大津市役所の正面玄関のスロープ横の駐輪場。正面玄関に身障者用の駐車スペースなし。

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↓大津市役所の正面玄関の階段

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↓これまでは、1階正面玄関から入るとすぐ「市政情報課」があった。3月中旬には障害福祉課が移る。真上の2階には、越直美市長が執務する市長室がある。

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