大津市では、市民の声を反映した市政を目指すとして、各自治連合会を通して「学区要望」をとりまとめている。しかし、2015年度の市民の声では、全36学区のうち、長等学区だけが「学区要望」を大津市へ提出していないことが、関係者の話や市民相談室のホームページなどから明らかになった。長等学区は大津市自治連合会の重鎮、清水耕二氏のお膝元だが、住民の声は吸い上げられていない。
長等学区自治連合会長の清水氏は昨年度、大津市自治連合会の副会長を務めた後、今年度は会長に上り詰めた。
大津市自治連合会へは、大津市から「住民福祉の増進と地域社会の発展のため」として運営補助金300万円が支払われている。さらに、「市から自治会を通じて依頼した市民に対する広報的な配布物の配布や市政協力に対する謝礼」として、自治会や自治連合会へ報償金が支払われている。2015年度の自治会等の報償金の総額は9266万円。36学区の自治連合会長(36人分)に支払われる報償金468万円を合わせると、総額は約9700万円にのぼる。
これらの支出根拠は「市政協力と住民福祉の増進のため」だが、長等学区自治連合会だけは、市が協力を依頼している学区要望のとりまとめを行っていない。