大津市は、過去に数々の不適切な補助金(迷惑料)が明らかになった反省を踏まえ、副市長を委員長とする「地区環境整備事業検討委員会」を2003年に発足しているが、「設立趣旨」に掲げる適正執行とはほど遠い実態であったことが、10月1日付の中日新聞の報道で、浮き彫りになった。
中日新聞の記事は、大津市の伊藤康行副市長ら市幹部が、伊香立学区自治連合会から飲食やコンパニオンの接待を受けていたことを報じた。多額の迷惑料を支出するかどうかを諮る委員会のトップという立場でありながら、迷惑料を受け取る団体から飲食費を負担してもらっていたことに、各方面から批判の声が上がっている。
2003年5月12日に大津市が出した「地区環境整備事業に関する基本的な考え方」によると、「昨今の厳しい財政状況、そして、適正執行を求める情報公開請求や住民訴訟が提起されたことに鑑み、別に定める選定基準、補助金交付手続等により、公平性と透明性を確保し適切に執行するとともに、市民に対する説明責任を果たさなければならない」とある。
伊藤副市長らの不適切な懇親会は、「公平性や透明性」を目指した検討委員会発足当時の経緯を全く省みないもので、大津市が市民やメディアに向けた反省の弁は、その場しのぎであることを露呈する形となった。
副市長の不祥事が報道されても、越市長は黙したまま。大津市は2003年に「地区環境整備事業に関する基本的な考え方」を作成したが、記載した「市民に対する説明責任」を果たしていない。