大津市は2017年からのまちづくりの基本となる「大津市総合計画 基本構想」を策定したが、越直美市長は、毎月開かれる定例記者会見の中で、一度も説明していないことが分かった。大津市総合計画は、あらゆる計画の最上位に位置している。条例では市議会の議決事項として「基本計画」の策定または、廃止が定められている。越市長はこうした最重要の計画を、報道機関に対してわかりやすく説明する機会を逃したことになる。

2016年2月の大津市議会の通常会議で、越市長は「大津のまちづくりについては、現在市民の皆様の参加を得ながら、新たな総合計画や都市計画マスタープランなどの計画の策定を進めている」「今後も市民の声をお聞きしながらまちづくりに取り組んでまいります」と述べた。しかし、翌月以降の定例記者会見で、大津市総合計画について、何も触れていなかった。大津市総合計画の基本構想は、2016年9月に大津市議会で承認されている。

近隣の都市と比べると、京都市では、「京都市未来まちづくりプラン」の策定について、定例記者会見の場で、市長が計画内容を説明をし、記者からも熱を帯びた質問が出ている。京都市民は、各社の報道を通じて、市政の問題点や方向性を知ることになる。

↓京都市の定例記者会見/「京都市未来まちづくりプラン」について

http://www.city.kyoto.lg.jp/sogo/page/0000057124.html

↓大津市の総合計画基本構想(案)

http://www.city.otsu.lg.jp/ikkrwebBrowse/material/files/group/25/kosoan.pdf

ウィキペディアより/総合計画とは・・

  • 総合計画は地方自治体の全ての計画の基本となり、地域づくりの最上位に位置づけられる計画である。長期展望をもつ計画的、効率的な行政運営の指針が盛り込まれる。
  • 一般的に策定に当たっては、「基本構想」とこれに基づく「基本計画」および「実施計画」からなるものが多い。おおむね10年間の地域づくりの方針を示す「基本構想」を受けて、5年程度の行政計画を示す「基本計画」、3年間程度の具体的施策を示す「実施計画」の3つを合わせて総合計画という。地域の将来像やなすべき施策や体制、プログラム等が記述される。
  • 1969年の地方自治法改正により、第2条第4項「市町村は、その事務を処理するに当たっては、議会の議決を経てその地域における総合的かつ計画的な行政の運営を図るための基本構想を定め、これに即して行うようにしなければならない。」と定められ、総合計画の基本部分である「基本構想」の策定が地方自治体に義務付けられた。それ以降、総合計画を策定する自治体が増えた。
  • 2011年5月2日に地方自治法が改正されて第2条第4項が削除され、地方自治体の基本構想の策定義務がなくなった。しかし、同日付けで総務大臣から、引き続き個々の自治体の判断で、地方議会の議決を経て基本構想の策定を行うことが可能である旨の通知が出された。この通知に基づき、条例を根拠にして基本構想を策定する地方自治体が増えている。