大津市自治連合会の幹部らの視察旅行に、大津市の職員2人が公務として参加していたことが、情報公開請求の資料などにより分かった。徳島県の温泉2か所をめぐるもので、慰安旅行の色彩が濃い。越直美市長が記者者会見で、「(自治会との)懇談会自体を取り止める」などと、自治連合会の活動との関連で“反省”の態度を示したわずか3日後のことで、市民からの批判が高まりそうだ。
昨年の視察旅行は、11月14日から15日の1泊2日で、徳島県を訪れている。宿泊先は、徳島県の月ヶ谷温泉の「月の宿」で、夕食には市職員も交えた懇談会も開かれている。翌日は、神山温泉へ移動し「ホテル四季の里&いやしの湯」で、13時から15時40分までの2時間40分の昼食とフリーの時間をとっている。
大津市の越市長はその3日前の11月11日、記者会見で中日新聞の記者から、市職員と自治連合会の懇談会や視察旅行の問題を指摘され、「来年度以降、(自治会との)懇談会自体を取りやめる。飲食を伴わない形にしていきたい」と述べて、市政に対する信頼性を確保に努めることを約束したばかり。
視察旅行後、大津市自治連合会から市へ報告書などは提出されていない。各地元において、報告会などが開かれたということも、市自治協働課では把握していないという。
大津市自治連合会の研修旅行は、大津市から自治連合会に支払われる運営補助金300万円から支出されている。毎年、市職員が随行している不透明な視察旅行について、メディアや市民から繰り返し批判が出ていたが、歴代市長らは「今後は、市民に誤解を招かれないようにしたい。透明性を図る」と反省のコメントを述べるにとどめた。
市民やメディアから提起された公金使途の批判が高まる中、越市長は記者会見で述べたことが3日後に担当部局職員の行動で反故にされ、メンツを潰された形になっている。
↓2016年11月14日~15日の大津市と自治連合会の視察旅行/スケジュール
↓2016年11月12日の中日新聞の報道
↓2016年11月11日の越市長の定例記者会見