■住民の不満を伝える
毎日放送の情報番組「VOICE」がこのほど、比叡平1丁目の市道が陥没し約5か月間通行止めになっている問題を取り上げた。「大津市のど真ん中が崩落したら、もっと早く動いているだろう。山の中だから放置されている」、「遅いですね」、「バス停が遠くなり不便だ」などと、住民の不満を伝えた。
放送されたのは、視聴者からのさまざまな怒りや不満を独自取材して報じる、シリーズ「憤懣本舗(ふんまんほんぽ)」の枠内。1月23日には、比叡平の問題を8分近くにわたって詳しく伝えた。
■山間部だから対応が遅い?
応急措置が取られただけで、本格的な復旧工事はまだ始まっていない。大津市は最短のスケジュールで手続きを進めていると説明している。しかし、日常の暮らしに不便を強いられる住民の間には、山間の住宅街だからないがしろにされているのでないかという疑念が生まれている。早くて着工はこの春になるという大津市の対応は妥当なのか。
越直美市長は、12月の定例記者会見で、「国の補助金を受けて改修することが前提」と述べ、復旧工事の遅れを国のせいにしていた。しかし、番組内では、前月の記者会見で自身が説明した言葉を翻し、「災害復旧事業の認定を受けたが、そのために工期が遅れるということはありません。大津市独自の予算で工事しても、同じ工期」と話している。
■「市民の生活を本気で考えているのか」
毎日放送の取材に対して、同志社大学政策学部の真山達志教授は、「災害復旧事業には、お急ぎコースと普通コースがある。あちらこちらで災害が起きているわけではないのに、なぜお急ぎコースにしなかったのか」と疑問を呈している。そして、「市民の生活のことを本気で考えているのかと市民が思うのは当然」とし「行政側はそうした市民の声を敏感に感じ取る必要がある」とコメントしている。
↓毎日放送/憤懣本舗「台風で住宅街の市道が崩落!4ヵ月過ぎても補修されず。崩れたまま」
http://www.mbs.jp/voice/special/archive/20170123/