大津市の自治会の問題を多角的に取り上げてきたが、神戸市でも似通った補助金問題が起きていることがわかった。毎日放送が21日に報じた。それによると、神戸沖に浮かぶポートアイランドを舞台に、ある疑惑が浮上しているという。毎日放送は、「不明朗補助金やどう喝…神戸市と不可解な関係ポーアイのドンとは?」というタイトルで、神戸市と地元団体の不明朗な補助金の問題を提起している

ポートアイランドを舞台に「補助金事業」の疑惑

番組によると、地元の団体が神戸市から、市立学校の運動場の施設開放事業として、補助金を受け取って運営しながら、運動場を開放していなかった。この団体の会長は、20年以上もポートアイランドで自治会長として君臨してきた80歳を超えるA氏。毎日放送の取材班が調査を進めると、運動場の開放事業だけではなく、19の事業に市から支給された公金の総額は、年間で7000万円にのぼるという。

その1つ、A氏の団体に管理を任せた市民図書室の人件費は、規定の2倍以上の年間90万円も支出していたという。さらに、ポートアイランドの市立学校の校長室は必要ないと、校長室を応接室に移動させる教育行政への圧力をかけたという証言を明らかにしている。

神戸市はポートアイランドの自治会長を特別扱い?

「神戸市は、なぜA氏の団体を特別扱いするのか?」と、取材班が元市職員の証言を拾い集めると、神戸市の元職員や元校長から驚くべき証言が繰り出された。

「絶対に神戸市の職員は勝てるような状況じゃなかった。会長の性格を知っている職員は、ここについては大目に見ていた」「言動がすごく暴力的だなと。『お前誰にもの言っているんだ』と。それで普通の職員は恐怖を感じるんじゃないかなと」、「言い出すと必ず実現しますから、ほぼ命令として捉えていい」、「当然“ドン”でしょ。“ドン”だと思います」(神戸市元幹部職員)

市立学校の元校長はA氏が学校行事などで意に沿わないことが起こると、たびたび恫喝してきたと証言している。

「校長として無能ではないか。人格否定というか、そういう言葉は何度も浴びせられます。お前がそんなこと言っているんやったら教育委員会の上層部を呼んで、こんなこと言ってるって上に告げるぞ、と」(元校長)

元校長が市教委に相談すると「うまくやってくれ」などと説き伏せられたためA氏に謝罪すると、ある物を要求されたという。

「わび状を書かされる。持っていくと『こうではなかった、俺はこう言ったからこういうふうに書き直せ』と、許可が出るまで何回もやり取りする。こんなことあったらいけないんですけど、学校の本来やるべき運営になかなか力が注げずに、子どもたちと保護者に申し訳ない。今も島に渡るときはドキドキします」(元校長)

神戸市政への介入と公的施設の私物化

神戸市が公金を出して、公的施設を管理させた団体の長による、神戸市政への介入と、公的施設の私物化。地元団体の長ということで、大目にみてきたことが、結果として、不当要求を増長させた。公金が喰いものにされ、職員の士気と、市民サービスの低下を招いている。

大津WEB新報が報じてきた、大津市の問題、大津市自治連合会などへの補助金の問題と、構造が似通っている。

↓毎日放送・voiceニュース

ぜひご覧下さい。

不明朗補助金やどう喝…神戸市と不可解な関係ポーアイのドンとは?

http://www.mbs.jp/voice/special/archive/20170420/