大津市は、琵琶湖市民清掃の補助金と随意契約を違法とする市民らの訴えに対し、「(大津市が)自ら排出した一般廃棄物を運搬する行為なので、市町村長の許可は不要である」と主張している。
一般的な地域の美化活動は、「大津市廃棄物の処理及び再利用の促進並びに環境の美化に関する条例」に基づいて、市へごみ収集の依頼書を提出し、市のパッカー車が清掃ごみを回収している。収集した清掃ごみは、ボランティアで行われる美化活動で収集したものとして扱われ、処分費用が特別に減免になる。
琵琶湖市民清掃についてはどうだろうか? 大津WEB新報は、「琵琶湖を美しくする運動実践本部」が、美化活動ごみの収集依頼書を市へ提出していたかどうか情報公開請求をすると、2015年度まで提出されていなかったことが判明した。「実践本部が市に対して、ごみの収集依頼をした事実がないので、収集依頼書は存在しない」という説明だった。
しかし、条例はそんな例外は認めていない。「大津市廃棄物の処理及び再利用の促進並びに環境美化に関する規則」の第11条では、「美化活動等による廃棄物の収集を受けようとするものは、あらかじめ、当該美化活動等に伴うごみの収集依頼書を市長に提出しなければならない」とある。美化活動のごみは、収集依頼書の提出が義務付けられている。
「琵琶湖を美しくする運動実践本部」は2015年まで、市へ美化活動ごみの収集依頼書をずっと提出していなかった。明らかな条例違反である。 不思議なことに、琵琶湖市民清掃では市へ何の書類も申請していないのに、条例が適用されて、ごみの減免処分を受けてきた。
これについて大津市は、「琵琶湖市民清掃は、実践本部の主催だが、大津市がごみ処理の役割を担っているから、申請を要するものではない」と説明している。市がごみ処理の役割を担っていると説明しながら、一方で、大津市パッカー車を出さなかった。大津市によると、その理由は「実践本部」が市に対してごみの収集依頼をした事実はないためという。
このように、大津市の説明は矛盾の上に、矛盾を重ねている。「(大津市が)自ら排出した一般廃棄物を運搬する行為なので、市町村長の許可は不要である」という主張は完全に破綻している。
(美化活動等による廃棄物の収集)
第11条 条例第26条第2項の規則で定める公共的な活動は、事業者又は公共的団体が行う営利を目的としない美化活動で市長が認めたものとする。