毎年1回行われる琵琶湖市民清掃をめぐり、大津市は、主催する「琵琶湖を美しくする運動実践本部」など2つの任意団体への補助金など約800万円のほかに、民間業者にごみの収集や運搬業務の委託名目で280万円の随意契約を結んでいることが、新たに分かった。表面上は市民ボランティアの美化活動をうたいながら、市民には見えにくい形で、合計1000万円を超える税金が投入されている実態が浮かび上がった。

その一方で大津市は、琵琶湖市民清掃の当日に限って市保有の大型パッカー車を1台も稼働させず、廃棄物の回収や運搬などの仕事をわざわざ業者任せにしていたことになる。1000万円の大半は、自治連合会の幹部らと、廃棄物処理などの業者に流れている。お金の面では「市民不在」と言える。

大津市が280万円の随意契約を結んでいる相手先は「大津市再生資源回収事業共同組合」(大津市浜大津)。委託業務としての契約は毎年締結され、2012年と2013年はそれぞれ280万円、2014年は約175万円。仕事は琵琶湖市民清掃のためだけ。市環境部によると、大津市は最終処分場の手前にわざわざ仮の集積場を設けており、いったんそこへ運び込まれたごみを、最終処分場へ運ぶ業務などを「共同組合」が請け負っているという。

一般的に各市町村は「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に則り、収集、運搬の手配をしている。大津市も普段は、市民が行う美化活動のごみは、市民からの連絡を受けて、無料で回収している。しかし、琵琶湖市民清掃だけは例外扱い。大津市は自ら保有の清掃車を全く稼働させず、休ませている。当日、他の事業に使ったという記録はない。

所管の市環境部廃棄物減量推進課は「主催する実践本部が自らごみを運んで来ているから、市のパッカ―車は出していない」としている。ところが、実践本部が有料で運搬用トラックを頼んでいるのは、無許可業者が大半を占めている。こうした実態については「どこが運搬したかまでは当課ではわからない」と答えている。

参考資料1「大津市HP 廃棄物減量推進課の随意契約一覧」

参考資料2「2013年 琵琶湖市民清掃に係る収集運搬業務委託」

 

H25年委託契約
参考資料3「2014年 琵琶湖市民清掃に係る適正処理・分別・収集運搬業務委託」

H26年委託契約