大津市の補助金を適正化する立場の行政改革推進課が、領収書が添付されていない事業報告書について、「チェックするのは各所管課の問題」だとして、本来の任務を放棄している実態が明らかになった。市民からの問い合わせに対して12日、行政改革推進課がメールで回答した。同課の任務は「行政改革の推進に関すること」と規定されているが、補助金については一切点検していないことを自ら認めたことになる。大津市の「行政改革」は看板倒れだと言える。
総務省は、「地方公共団体においては、厳しい財政状況の中でも安全かつ良質な公共サービスが確実、効率的に実施されるよう、地域の実情に応じ、自主的に行政改革に取り組まれている」(ホームページに掲載)と、地方自治体の行政改革を促している。
大津市は「補助制度適正化基本方針」を2012年末に策定。補助金については「公平性、透明性を高め、市民に対する説明責任を果たす」としている。その実務を担うのが総務部にある行政改革推進課。
しかし、大津市自治連合会や単位自治会に対する補助金については、行政改革推進課は直接関与せず、自治協働課など所管する課に点検作業を丸投げしていることが分かった。
事例の一つは、大津市自治協働課が、大津市自治連合会など複数の任意団体に対して、領収書が提出されていないのに、補助金を支出している問題。市民からの問い合わせに対して、行政改革推進課は「各課において、この方針に基づく取扱いがなされているものと考えております」と回答したのにとどまり、自らは直接点検していない実態を認めている。
<用語解説>
-
行政改革(ぎょうせいかいかく)とは、国や地方の政府の行政機関において組織や機能を改革することである。 略称は行革(ぎょうかく)。 多くは行政組織の効率化と経費削減を目的とし、公務員の配置転換や免職を伴う。