大津市自治連合会が中心の任意団体「琵琶湖を美しくする運動実践本部」が各自治会へ呼びかけ、7月5日に行われた琵琶湖市民清掃は、廃棄物処理法に違反している疑いが出ている。無許可業者がトラックなどでごみを運搬している上、集積場に持ち込まれたごみを計量していないことが、現地における取材で明らかになった。大津市は当日、多数の職員を動員しており、違法状態を黙認したことになる。環境省は「大津市の問題は、滋賀県が指導する立場にある」として、県が実態調査をするべきだという見解を示している。
清掃の実働時間は、5日の午前中だけ。自治会の住民たちが駆り出され、地域のごみ(大半は草木ゴミ)を集めた後、各学区自治連合会が有償で手配した業者が、トラックなどを出し、大田廃棄物最終処分場近くに設けた仮置き場へ運搬している。しかし、これらの業者には一般廃棄物を運搬する許可を受けていない業者が含まれている。さらに、運び込まれたごみは計量が義務づけられているが、一切行われていない。
運営する任意団体「実践本部」には、大津市の環境部長が幹事として参画。また「実践本部」の事務局は大津市環境政策課に置かれている。当日は環境政策課などの職員が多数動員されて、作業を補佐している。
廃棄物処理法は、ごみ処理について市町村が「統括的な責任を有する」と定めている。それにも関わらず、大津市は、当日、市が保有するパッカ―車を1台も出していない。その一方、無許可業者が運搬していることや、計量が行われていない現場の実態を知りながら、全く問題視していない。
参照:ウィキペデイア「廃棄物処理法」
廃棄物処理法では、一般廃棄物としてその処理については市町村が「統括的な責任を有する」としている。事業者として大津市は、許可業者へ運搬、処分を委託しなければならない。
2015年7月5日 市所有地の仮置き場
*軽トラの車両が土嚢袋を積み下ろし。計量せず。グレーの作業着で誘導しているのは市職員。
2015年7月5日 市所有地の仮置き場
*あふれんばかりのゴミ袋(草木)を積みこんだ軽トラが、業者または市の職員の誘導で積み下ろし。計量せず。
2015年7月5日 市所有地の仮置き場
*計量せず積み下ろされたゴミ袋を重機でまとめる作業。