大津市はこれまで、不適切な補助金支出やチェックの甘さ、職員モラルの低さの問題を、市民やメディアから批判され続けてきた。大津WEB新報が「大津市はしっかりやっているとお考えでしょうか?」と越直美市長に質問したところ、「補助金の公平性、透明性を確保するための取り組みを行ってまいりました」との回答が届いた(自治協働課が代行返信)。補助金がいかにずさんに運用されているか、越市長はまったく認識していないことが明らかになった。
越市長の回答は、2012年に策定された「補助制度適正化基本方針」をなぞっただけの一般論に終始。地方自治法を根拠に「公益上必要であるものに補助をすることができる」とした上で、「適正化基本方針」に沿う形で、「必要性」「公平性」「適正性」など7つの視点を示している。そして、大津市では、「公益上の必要性」があるものだけに絞り、ルール作りをしたとしている。
しかし「補助制度基本方針」が策定された後も、補助金制度が厳格に運用されるようになった様子は見当たらない。例えば、大津市から大津市自治連合会へ支出された運営補助金300万円の実績報告書には領収証が添付されていなかった。自治連合会が適正に補助金を使っているのか、領収書をチェックしなければ判断のしようがない。自治連合会の事務所を市役所内に置くことを認めている。自治連合会の幹部を高級ホテルでの宴会に招き“意見交換”している。大津市が1つの任意団体だけを特別扱いしている事実がある。越市長は、こうした実態を知らないまま、形式的に回答したとみられる。
越直美市長からの回答(自治協働課が代行返信)
【市長見解】
補助金の支出は、地方自治法第232条の2において「公益上必要がある場合において、寄附又は補助をする事ができる。」とされていることを根拠にしており、住民自治や公共の福祉の増進に寄与するなどの視点をもって公益性の判断を行っております。
本市においては、補助金における公平性、透明性を確保し、公益性の視点に基づいた適正な運用を図るため、平成24年度に大津市補助制度適正化方針を策定しました。
これに基づき、(1)必要性の視点、(2)有効性(効果)の 視点、(3)妥当性の視点、(4)公平性の視点、(5)適正性の視点、(6)自主性の視点、(7)透明性の視点に立って、全庁的に補助金の見直しを行い、公益上の必要性を認定したものについて、補助金交付要綱や交付基準を整備しました。
このように補助金の公平性、透明性を確保するための取り組みを行ってまいりましたが、今後もさらに補助金の適正性の確保に努めてまいります。