任意団体「琵琶湖を美しくする運動実践本部」が、大津市の総合評価方式入札のための「協力証明書」の発行を「積極的に推進すべきもの」と位置付けていたことが、総会資料で明らかになった。その理由として、「各参加団体において、運搬車両等の確保が困難になっている状況から、地域貢献活動として評価し、支援するしくみが求められてきた」としている。車両の確保が困難な事業であるのに、大津市はなぜパッカー車を休ませ、提供しないのか、説明責任を果たしていない。

総会資料には「地域の事業者から車両の提供や運転手の支援を得てきております」と書かれているが、ごみなどを運搬する業者は、無償でなく有償で車両や運転手などを提供し、実践本部から謝礼金を受け取っている。ボランティアでなく仕事として業者に謝礼を支払っているのにかかわらず、さらに支援する仕組みとして、「協力証明書」が必要だと訴えている。

実践本部が「運搬車両の確保が困難」とする一方、大津市は自ら所有するパッカー車を市民清掃の当日に1台も提供せず、休ませている。パッカー車を管理している大津市廃棄物減量推進課は、このことについて「琵琶湖市民清掃は、大津市の事業でない。実践本部が自ら運んでいるため」と説明している。実践本部と大津市の説明は大きく食い違っている。

結果的に、大津市はパッカ―車を1台も提供せずにおいて、実践本部が「運搬車両の確保が困難」だとする言い分を丸飲みした上で、大津市の入札の評価につながる「協力証明書」の発行を認めたことになる。大津市がパッカー車を稼働させず、実践本部を過剰に優遇している分だけ、市民は余計な税負担を強いられている。

琵琶湖市民清掃の証明書発行について