任意団体「琵琶湖を美しくする運動実践本部」が主催する琵琶湖市民清掃は、大津市の規則が定める「営利を目的としない美化活動」に該当するのに、実践本部が必要な手続きをとらず、市長の承認を受けていなかったことが、情報公開請求によって明らかになった。大津市はこの事実を知りながら、実践本部に必要書類の提出を求めないまま、琵琶湖市民清掃のごみを無料で処理していた。大津市は実践本部のメンバーに加わっていながら、実践本部の規則違反について全く指導していなかった。

大津市は条例によって、家庭からの廃棄物ほか、美化活動などの公共的な活動から発生する一般廃棄物を収集することを定めている。その際、ごみを集めてもらう市民や団体は、大津市の規則(廃棄物の処理及び再利用の促進並びに環境の美化に関する規則)に従って、収集の依頼書を提出し、市長の許可を受けなければならない。

今回、情報公開請求によって、主催する実践本部は、大津市に対して「美化活動で発生した一般廃棄物」を取り扱っているのに、こうした手続きをとっていないことが分かった。市民からの情報公開請求に対して、大津市は「琵琶湖市民清掃において、琵琶湖を美しくする運動実践本部が大津市がごみの収集を依頼した事実はないので、その依頼書は存在しない」と文書で回答した。任意団体の実践本部に対して補助金を支出している大津市は、実践本部が規則に従ってごみの収集を依頼していなかった事実を認めたことになる。また、実践本部からごみ収集の依頼書を受け取っていない状態で、つまり、頼まれてもいないのに、ごみを無料で処分したことを認めたことになる。

 

~大津市廃棄物の処理及び再利用の促進並びに環境の美化に関する規則~

(美化活動等による廃棄物の収集)

第11条 条例第26条第2項の規則で定める公共的な活動は、事業者又は公共的団体が行う営利を目的としない美化活動で市長が認めたものとする。

2 条例第26条第2項に規定する美化活動等による廃棄物の収集を受けようとするものは、あらかじめ、当該美化活動等に伴うごみの収集依頼書(様式第4号)を市長に提出し、その承認を受けなければならない。

大津市廃棄物減量推進課のHP/美化活動等に伴うごみ収集依頼書

大津市美化活動等に伴うごみ収集依頼書(PDF)

大津市美化活動等に伴うごみ収集依頼書_01

2012年から2014年に「琵琶湖を美しくする運動実践本部」から大津市に提出した「美化活動等に伴うごみの収集依頼書」等申請書類の情報公開請求に対して・・。

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「琵琶湖市民清掃において、琵琶湖を美しくする運動実践本部が大津市にごみの収集を依頼した事実はないので、その依頼書は存在しないため」という非公開の決定通知書

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