「税金は正しく使ってもらわんと」。いわゆる「迷惑料」について住民監査請求した加藤さん(82)は16日、集まった報道陣を前に、膝に置いた両手のこぶしを握りしめながら、こう力説した。
午前10時15分からの記者会見。代理人の折田泰宏弁護士が「大津市からは報償金が支払われている。二重の支出は許されない」と請求の理由を説明すると、となりに座った加藤さんの表情がいっそう厳しくなった。背筋をピンと伸ばし、顔を報道陣のカメラに向けた。「いかに大津市が上手にごまかしているか。みんなが収めた税金を、一部にだけ使うのはいかがなものか」。
加藤さんが自治会と大津市の問題に初めて切り込んだのは2003年にさかのぼる。住民監査請求に続いて裁判所へ提訴。周辺の住民と一緒になって、報償金の問題などを追及し、数多くの税金の無駄を指摘した。大津市も「行政改革」を約束した。ところが、「結局、その後、なにひとつ変わっていなかった」と怒る。「間違っている。誰かが言わなんだったら、誰も監視しなかったら、このままずっと行くやろう」と再起の理由を語った。
記者から「この時期になぜ」と質問があると、「(1月の)市長選挙は関係ない」とぴしゃり。思いが次々と言葉になって止まらない。「現場を見に行ってください。びっくりするわ。住民が分かるように、しっかり伝えてください。分からんことがあったら聞いてください。頼んまっせ」とメディアに注文も。“加藤節”を炸裂させて、45分に及んだ会見を終えた。
会見で記者の質問に答える加藤英子さん(大津市役所、2015年12月15日午前10時半)