琵琶湖市民清掃をめぐり、ごみの収集・運搬を拒否していた大津市が昨年末、方針を大転換させ、「市が行う」と提案していた。方針を大転換させた小委員会の「市民清掃のあり方」検討結果報告では、「市民清掃の原点に立ち返り、実践本部が示すルールに従って、自分たちで出来る、無理がない範囲で清掃を実施するという考えで事業を行う」としている。

原点に立ち返り」とはよく言ったものだ。抜本的な改革を行わなければ、美辞麗句に過ぎない。本来は「行政本来の原点に立ち返り、法が示すルー ルに従って、行政としてやらなければならない範囲で、収集・運搬を実施するという考えで事業を行う」と言い換えた方がいい。

越直美市長と環境部は、琵琶湖市民清掃の数々の問題についていずれも「法令違反ではない」と大津WEB新報の質問に回答していた。違反ではないとするなら、市民にはまったく見えないところで、大急ぎで大幅な変更をしなくてもよかったはずだ。何をこそこそとやっているのか。

補助金がつぎ込まれているのに、重要なことは、大津市と大津市自治連合会の幹部が水面下で決める。何も知らされない市民は、美化運動だからと駆り出される。この構図のどこが「市民清掃の原点に立ち返り」なのか。透明性が確保されないまま、問題は改善されずに継続している。