比叡平1丁目の市道が陥没し通行止めになって3か月近くになる。この問題で朝日新聞は12月6日付朝刊で、「補助金の認可や工事の手続きなどが必要で、復旧には1年以上かかる」などとする大津市の言い分をそのまま掲載した。しかし、この記事は、予想される工事の金額や期間など、基本的な情報を伝えていないうえ、なぜ大津市が自らの予算で対応しないのか、全く説明していない。代替交通手段の可能性にも触れないまま、大津市の対応を是認した報道になっている。
報道の概要は次の通り。
・9月18日から19日の大雨のため、比叡平1丁目の市道がのり面ごと幅約20メートル、長さ約89メートル、高さ約34メートルにわたり崩落した。
・さらなる崩落を防ぐ仮工事をしている。
・現場付近は封鎖され通行できないため、路線バスも迂回している。
・近くの2か所のバス停が使えないため、高齢の住民から道路復旧や仮のバス停設置を望む声があがっている。
そのうえで記事は、大津市道路管理課の次のような説明を掲載している。
・「補助金の認可や工事の手続きなどが必要で、復旧には1年以上かかる」
・「補助金の(国)認可がおりても、工事事業者を決めるための入札手続きや工事の準備などでさらに時間がかかる。工事開始は来春になる」
大津市の統計情報によると、山中比例平の65歳以上の老齢人口は、992人で、高齢化率は、33.39%。高齢者が多い地域である。崩落現場周辺地の住宅から、最寄のバス停まで歩いていくには、坂道を上らなければならない。高齢者に限らず、多くの住民が不自由を強いられている。
↓バスが通っている最寄バス停まで歩くとなると、傾斜のある坂道を上らなければならない。