「自治会との懇談会を飲食を伴わない形にしていきたい」。昨年11月に、越直美市長が記者会見で発言してから、半年もたたないうちに、こっそりと元に戻した。越市長は自ら、市幹部と一緒に、利害関係団体である大津市自治連合会との宴会に出席した。場所は琵琶湖ホテル。なぜ復活したのか。反省したのではなかったのか。越市長は市民に対して何らの説明をしていない。

大津市は、一部の自治連合会へ迷惑料を年間約4.5億円のほか、自治会関係へ報償金を年間約1億円渡すなど、不透明なおカネを出し続けてきている。その一部は旅行や飲食代など、自治連合会役員の遊興費に使われていたことも、当時の資料から判明している。それだけでなく、大津市と自治連合会は、複数の高級ホテルで、頻繁に懇談会を開いてきた。

今年5月の記者会見で、越市長は「ふるさと納税」について、「ふるさと納税の制度趣旨がおかしい。一刻も早く廃止すべきだ」と話していた。「ふるさと納税」は、市民サービスを受けていない自治体に寄付することになり、住んでいるところの市民サービスに影響があると言っている。越市長は新自由主義者で、「小さな政府」を目指しているはずだ。ふるさと納税をするかしないかの選択は、大津市民の自由だ。

税金を自治連合会の遊興費に使われるくらいなら、もっと小さな市町村で、市民のため熱心に「市民サービス」に取り組んでいるところへ納税しようと思う市民がいても不思議ではない。大津市も、市民が「応援したい」となるような自治体を目指したらどうだろうか。