大津市から8600万円の補助金で建設された新しい北在地自治会館を巡る問題は、1億5千万円の返還を求める加藤英子さんら市民7人の行政訴訟でも問題提起されている。
「覚書に明記されず」と市民ら
原告の加藤英子さんらの訴状によると、「北在地には、既存の自治会館が既にあり、老朽化についての具体的な説明も調査がされたという資料も提示されていない。大津市と地元が交わした覚書にも、(自治会館建設は)明記されていない。40世帯113人の自治会員が使用するのに、他の自治会の自治会館と比較しても、著しく公平性を欠く」と主張している。
当時の自治会長が工事の責任者
2017年8月22日付の中日新聞の報道では、北在地自治会館の造成工事を請け負った業者が県に提出した工事経歴書によると、当時の自治会長本人が、工事の施行管理の責任者に充てられていたとしている。
方針に反しても市は「関知せず」
大津市は、2003年に、地区環境整備事業補助金(迷惑料)の基本的な考え方や、2012年に制定した「補助制度適正化基本方針」などで、「特定の個人または団体の利益につながる事業」は、補助の対象外とする方針を定めている。しかし、今回、大津市からの造成工事費などの補助金が、受け取る側の地元自治会長が役員の業者らに支払われていたことについては、「発注先まで知らない」というコメントをしていたことを、中日新聞が取り上げている。自ら定めた方針に反し、補助金の使途は、関知せずというスタンスのようだ。