大津市の琵琶湖市民清掃では、過去に雷注意報が出ていたのに、決行していた年があったことが情報公開請求より明らかになった。各自治体からは批判が相次いだが、耳を傾けようとせず、今年度も「雨天決行」としていた。
2012年7月1日は大雨。雷注意報も出ていた悪天候であったが、事務局の大津市環境政策課と「琵琶湖を美しくする運動実践本部」は、事業を中止することなく決行した。36学区中、中止したのは青山学区のみ。他の35学区は決行したが、雨天は無理と独自に判断して、延期した自治会もいくつかあった。
各自治会から出された報告書には、大雨なのに決行した実践本部に厳しい意見が出ていた。
「こんな土砂降りの中15人も出てくれたのは奇跡ともいえる。情勢を見て急遽中止とか出来なかったのか。不信を憶える」
「雨天は無理です」
「2丁目自治会は雨天のため参加する高齢者の健康問題を考慮し、市民清掃を中止した」
「全般的には、降雨のため参加人数が少なく、作業が大変であった」
「雷注意報が発令中であったなど、本部の実施決定の方法に疑問が残り、スケジュールをこなすための行事に過ぎないとの意見があった」
大津市と実践本部は、大雨でも決行した過去の教訓を生かさず、いまも「雨天決行」を前提で事業を進めている。「雨天決行」と書きながら、最終判断は「各自治会」と追記して、問題が起こったときの責任を現場に押しつける形をとっている。