野洲市の許可証を貼ったパッカー車が、大津市の琵琶湖市民清掃でごみを処分していた問題で、野洲市が大津市とは全く違った運営態勢をとっていることがが分かった。主催する任意団体からは独立し、補助金の運用も厳しい。野洲市環境課への聞き取り調査などで明らかになった。

野洲市の市民一斉清掃は、今年の場合、6月14日、21日、28日に分散して開催している。この3日間を受け入れ日として、地域の各自治会に割り振っている。自治会に対しては車両の借上げ代を補助金として支出しているが、1自治会2台までとし、1台1000円という上限を設けている。野洲市の職員が、美化活動を清掃を運営する任意団体の事務を担うことも、団体の役員に入ることもない。

一方の大津市は長年、6月下旬から7月上旬の日曜日1日だけを一方的に指定。この日の午前中だけしか、集めたごみを受け入れられないとしている。車両の借上げ代については、単価の上限を設けず、各学区自治連合会任せという形を続けている。主催団体との関係では、大津市は任意団体の事務局を環境政策課が担い、部長が役員に入っている。

野洲市の市長は、一斉清掃事業には市が直接関与していないと、市民の意見に回答し、ホームページに掲載している。しかし、大津市はメディアや市民から、琵琶湖市民清掃の問題を相次いで指摘されていながら、市長は見解を明らかにしていない。

野洲市「市長への手紙 主なご意見と回答(平成24年8月受付分)」

○県下一斉清掃について

Q 現在、野洲では毎年夏と秋に一斉清掃が行われる。年々猛暑のこの時期、一人住まいの高齢者が多く参加している。(満75歳以上)この人達の参加を免役とすべきだ。作業中に体調を崩されたら野洲市として全責任をとるか。早急、免役決定すべし。

A 「市長への手紙」にて県下一斉清掃についてのご意見をいただきありがとうございます。
 県下一斉清掃により、市民の皆さまには身近な地域の美化と環境保全にお取り組みいただき、ありがとうございます。
 ご意見のとおり、高齢や病気、障がいをお持ちの方への配慮は当然必要と考えています。
 県下一斉清掃については、自治会が清掃のために借上げられた車両に対して負担を軽減するための交付金の提供と、清掃で出るゴミの市クリーンセンターでの受け入れのために期間調整を行う点で市が関与していますが、約40年前の事業発足以来、全県的な自治会単位の自主的な取り組みとして進められてきています。
 これまでも同様なご意見をいただき、配慮いただくようお願いをしてきていますが、ややもすると暗黙の強制力が働く場合もありますので、改めて自治会連合会の役員会などを通じて提案をいたします。