琵琶湖市民清掃の運営で、最大の問題は、大津市の関わりが不透明であることだ。そもそも、運営主体である任意団体になぜ大津市が加盟しているのか。市民が納得できる説明が求められる。

琵琶湖市民清掃は、大津市自治連合会などでつくる任意団体「琵琶湖を美しくする運動実践本部」に大津市が補助金を支出し、ボランティアで参加する市民を動かして行われている、大がかりな事業である。実践本部は大津市自治連合会が主体で構成されている。いわば、大津市が大津市自治連合会に仕事を委託した形だ。

大津市が支出している補助金を、受け取っている団体が適正に使っているかどうか、だれがチェックするのか。大津市自身が責任をもって点検するしかない。しかし、琵琶湖市民清掃の場合は、大津市が補助金を支出する主体であるが、支出先である実践本部のメンバーにもなり、清掃活動の一部を担っているという不自然な構図になっている。実践本部は事実上、大津市自治連合会と一体なものであるから、大津市が大津市自治連合会の傘下に入っているような、実に妙な形になっている。

琵琶湖市民清掃は、大津市と大津市自治連合会が渾然一体となって行われている。両者の関係は意図的にあいまいなものにされている。だからこそ、大津市は問題が起こるたびに、立場を変えた説明をする。あるときは「市民清掃は実践本部の事業である」と逃げ、またあるときは「市民清掃のごみ処理に関わっている」と主張する。責任の所在をみずから誤魔化している。そこには、市民のために行政サービスを行っているという責任や自覚は、全く欠如している。

そもそも大津市はなぜ任意団体である実践本部の一員になる必要があるのか。その理由は市民が納得できるものでなければならない。