琵琶湖市民清掃の実施要綱が今年度(2016年度)から大幅に変更された。このシリーズでは昨年(2015年度)の実施要綱と比較しながら、数々の疑問を明らかにしてきた。(文書上、今年度から加えた文面を赤枠で囲んである)
解説シリーズ第8回は、2016年度の実施要綱に書いている「実績報告の写真添付」の問題である。大津市では、2015年までの43年間、ごみの搬出状況の写真添付を求めていなかった。そのため、仮置き場での無袋状態の大型樹木の大量搬入など、チェック機能が働いていなかった。
滋賀県が支援している「美しい湖国をつくる会」(大津市以外の18市町が参加)は、琵琶湖周辺などの一斉清掃を行っているが、各支部に対しごみの搬出状況の写真を添付するよう義務付けている。不法投棄を防止するためだ。
こうした県の運用を見習ってなのか、大津市も今年度から、各学区の自治連合会に対して報告の際に写真添付を求める文言を入れた。ところが、「可能なかぎり」でよい、としている。義務付けてはいない。これでは、いかにも「しっかりチェックしていますよ」という見せかけに過ぎない。チェックは依然としてずさんなままだと言える。
多くの人がスマートフォンを持ちあるている時代に、現場で写真を撮影することは非常に容易なことだ。写真が撮れない事態を想定することの方が難しい。
大津市と任意団体「琵琶湖を美しくする運動実践本部」は昨年度まで40年以上、各学区の搬出状況を確認していなかった。そのずさんな実態について、反省の言葉はまったくない。今年度以降も、搬出状況の写真さえ添付しないようであれば、改善が図られたとは言えない。
↓2016年度 琵琶湖市民清掃 実施要綱 P3
↓2015年度 琵琶湖市民清掃 実施要綱