大津市はごみの収集・運搬の過程で、偽装されたごみが紛れ込むなどの不正を防止する必要性を外部監査で指摘されていながら、琵琶湖市民清掃では昨年度まで具体的な対策をとっていなかったことが明らかになった。大津市は、過去のごみ偽装事件を背景にした外部監査の求めに応じず、問題を放置し続けていることになる。

大津市では1995年から2002年まで、2業者が事業系ごみを家庭ごみと偽って搬入していた事件が発生。2014年の包括外部監査の中で外部監査人は、「こうした偽りの搬入は、常に発生する可能性があり、不正が行われていないことを確認することが重要である」と述べ、集積ルートの管理などの具体策を提示していた。

外部監査人は、ごみの不正搬入を防ぐ手段の1つとして、「集積ルートの仕様書の構築」、「展開調査を増やす」、「展開調査で疑わしい事項を結果報告書に記載」などを提案している。しかし、監査結果が出された後の2015年の琵琶湖市民清掃では、外部監査人が提案した意見を、大津市が参考にした形跡は、見当たらない。(2016年については、関連の資料が開示されていないため、現段階では不明)

 

【解説】

ごみ不正搬入は、美化活動でも起こりうる。家庭ごみと同じで、美化活動のごみも処理手数料は減免になるが、事業者が排出するごみは有料である。そのため、こうした機会に便乗投棄をする事業者が出る恐れがある。

だからこそ、行政機関による厳しいチェック態勢が求められる。しかし、昨年の琵琶湖市民清掃の仮置き場の搬入状況を現場で確認すると、便乗投棄ではないかと思われる実態が数多く見られた。例えば、市民の手で短時間に作業できるはずもない、大型の木枝が運び込まれていた。大津市が外部監査人の指摘を真摯に受け止めたとは言えない。

関係資料も杜撰なものだった。「排出状況の写真添付なし」、「搬入車両の車番の確認なし」、「集積ルートを記載しない学区あり」、「整理券の配布数の不均衡」など、問題が多すぎる。大津市の杜撰なチェックが、ごみの便乗投棄を誘発した恐れさえある。

今年から琵琶湖市民清掃の実施日を3つに分けて要綱を変えたが、どのようなチェック体制で行ったのか、大津WEB新報は注視していく。

2015年大津市包括外部監査の意見など

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