■腐敗した構造が延命
2002年の市民らの住民監査請求により、不適切な迷惑料の補助金実態が明らかになった。当時、大津市に対して徹底取材を経験した記者の1人、毎日新聞の日野行介記者は、しが自治会オンブズへ送った「寄稿文」の中で、大津市の多額の迷惑料についてこう述べた。「(迷惑料は)腐敗臭すら漂う」、「自治会オンブズが、不正な迷惑料を暴き、(長く自治連合会長という職にとどまる)旨みを証明した」。
市は記者会見などで、不正な迷惑料の支出の反省を表明し、地区環境整備事業検討委員会を立ち上げ、「透明化」を約束した。市民もメディアも、大津市は変わるだろうと、市の言葉を信じた。しかし、腐敗した構造の根は深かった。原点となった住民監査請求の衝撃を、大津市や自治会組織は巧みに分散させ、表面上は何も問題がないように振る舞う。市民が気づかぬところで、公金を食い物にする構造は今日に至るまで、生きながらえているのである。