琵琶湖市民清掃をめぐる問題で、大津市役所の出先機関である藤尾支所が、地元の学区自治連合会の会計事務を肩代わりし、極めて杜撰な経理処理を行っていることが、17日までに明らかになった。経理書類の中には、自治連合会に代わって、支所の職員が公務として、現金の受け渡しまで担っていることを示すものが含まれている。特定の団体の会計事務を代行してきたことについて、藤尾支所の支所長は「平成24年まで、事務(藤尾学区自治連)のお手伝いをしていた」としている。

琵琶湖市民清掃は、大津市自治連合会などでつくる「琵琶湖を美しくする実践本部」が主催。運営資金は市からの補助金(平成25年度約560万円)でまかなっている。「実践本部」はこれらの補助金を、計36ある学区の自治連合会に 分け与え、清掃に関する諸経費に当てることになっている。

今回問題が浮かび上がったのは、藤尾学区の自治連合会にかかわる支出。本来はすべて自治連合会が自らの責任で処理しなければならない。しかし、藤尾支所の職員は、自治連合会の会計業務を日常的に代行。琵琶湖市民清掃の当日、自治連合会が依頼した運搬トラックの運転手2人に対し、5千円の現金を「謝礼」として直接渡している。また、謝礼を支払ったことを示す「支払証明書」を、自治連合会の会長あてに発行している。

ところが、この「支払証明書」には領収書は添付されておらず、支払い先などの明細も書かれていない。したがって、支所の職員がだれに現金を渡したのかや、実際に渡したのかどうかも不明。行政機関が作成する公文書としては、極めて特異な形になっている。

参考資料1「2010年6月27日 藤尾支所の支払い証明書(運転手謝礼)」

参考資料2「2011年7月3日 藤尾支所の支払い証明書(運転手謝礼)」

参考資料3「2012年7月1日 藤尾支所の支払い証明書(運転手謝礼)」

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藤尾支所