琵琶湖市民清掃の実施要綱が今年度(2016年度)から大幅に変更された。昨年(2015年度)の実施要綱と比較しながら、数々の疑問を明らかにしてきている。(文書上、今年度から加えた文面を赤枠で囲んである)

解説シリーズ第6回は、2016年度の実施要綱に書いている、「ごみの分別の仕方」である。2016年度の要綱では、(注2)として「木、竹などの植物で特段の理由により、長さ40㎝以下、太さ5㎝以下に切れず、袋に入らない長尺物は枝をはらい荒縄により結束されたものに限り、市民清掃翌日以降(1週間以上後になることもあります)に回収されます」が加えられた。

「特段の理由により、長さ40㎝以下、太さ5㎝以下」に切れないような木や竹などの植物とは、要するに大型の樹木を想定している。そもそも、市民清掃の限られた時間帯で、大型の木々をボランティアの市民が切り倒しできるのだろうか。通常は作業に熟練したプロの仕事となるだろう。また、市民が手に負えないような大型の木々の取扱いを、なぜ実施要項が規定しなければならないのだろうか。

しかし、2015年度の琵琶湖市民清掃では、袋に入れず、荒縄で結束していない枝木を、ダンプやトラックが山盛りに積み込んで次々と南部の集積場(仮置き場)へ搬入していた。学区の報告書には、どこの場所を清掃して大量の枝木を切ったのか、記されていない。切った大量の枝木をどこに集積したのかも、記されていない。

こうした実態を問題視して、大津WEB新報は2015年7月14日「袋なしで樹木を大量搬入/一斉清掃以外のごみ?/瀬田北学区など/市民清掃№30」という記事を伝えている。この記事は、「機械を用いなければ伐採できないような、大型の樹木が含まれていた。こうした状況から、市民清掃以外のごみが混入された疑い」があると指摘している。今年度の実施要項は、例外的にでも、こうした大型の樹木を受け入れる規定になっており、市民清掃以外に集められた大型の樹木が紛れ込む可能性を排除できない。

回収の時期についても問題がある。実施要項は今年度から、結束された枝木の回収は、翌日以降、1週間以上かかる場合もあるとしている。市民清掃で回収するごみは生活ごみ(生ごみ)ではないのだから、もともと急いで回収する必要はない。ところが、昨年度までは、なぜか当日に昼までに回収することに固執し、各学区自治連が運搬車両を確保し、謝礼を支払っていた。大津市や「琵琶湖を美しくする運動実践本部」は、昨年度まで必要のない作業を補助金を使ってわざわざ行っていたことを認めたと言える。

行政改革を掲げながら、越市長はこうした実態にメスを入れてようとしない。越市長は就任以降、毎年、南部の集積場(仮置き場)へ視察に行っていた。2014年には、「どろ」などのステッカーを貼って「琵琶湖市民清掃」をアピールしていた。大津WEB新報は、2015年12月14日の「越市長が泥搬入を認識/2014年6月/市民清掃№63」で越市長のイメージ先行の対応を批判している。

↓2016年度 琵琶湖市民清掃実施要綱 3P

平成28年度 琵琶湖市民清掃実施要綱_08

↓2015年7月5日琵琶湖市民清掃の写真/大田廃棄物最終処分場に搬入せず!計量せず!手前の集積場(仮置き場)積み下ろし!!

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2014年大津市HP「越市長の日記」より

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