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大津市自治連合会が琵琶湖ホテルで5月10日に開く懇親会には、例年通り、大津市の幹部職員らも参加するとみられる。大津市自治連合会は、大津市から多額の報償金や補助金を受け取っている「利害関係者」である。利害関係者が夜の懇親会に同席することは許されるのだろうか? 「大津市職員倫理条例」に照らすと、問題があると言わざるを得ない。

倫理条例の目的は市民の信頼を確保するため

市職員と利害関係者の禁止事項は、2015年4月1日に施行された大津市職員倫理条例で定められている。その目的は、「職員の職務に係る倫理の保持に資するため必要な措置を講ずることにより、職務の執行の公正さに対する市民の疑惑や不信を招くような行為の防止を図り、もって公務に対する市民の信頼を確保する」である。

批判を浴び続けた市と自治連の公金飲食

毎年、大津市が主催として、公金(市民の税金)による大津市自治連合会との懇親会を、大津市自治連合会の総会後に開催していた。過去から延々と続く市と自治連合会の不適切な懇親会は、市民やメディアから何度も批判を浴びた。

利害関係者との飲食では?

今年の懇親会については「大津市主催ではない。自治連が開催する。市職員が懇親会に参加するかどうかはまだ決まっていない」と市職員は釈明しているが、多額の公金を支出している利害関係者との懇親会に市職員が参加することは、市民の疑惑や不信をますます募らせることになる。

市民の疑惑や不信を招く行為の禁止が・・

 職員が遵守すべき職務に係る倫理原則として、職員は、法令等により与えられた権限の行使に当たっては、当該権限の行使の対象となる者から金銭、物品その他の財産上の利益の供与又は供応接待(以下「贈与等」という。)を受けること等の市民の疑惑や不信を招くような行為をしてはならない」などが規程されている。

違反行為があった場合の措置として、「倫理監督者などに調査を行わせ、程度に応じて、その職員に対し懲戒処分その他の措置をとるものとする」としている。職務の執行の公正さに対する市民の疑惑や不信を招くような行為の防止を図るため、今後も市の姿勢を注視する必要がありそうだ。

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↓大津市職員倫理条例

http://www2.city.otsu.shiga.jp/reiki/reiki_honbun/x400RG00001299.html

第7条 一般職員は、次に掲げる行為を行ってはならない。

(1) 利害関係者から金銭、物品又は不動産の贈与(せん別、祝儀、香典又は供花(香典及び供花にあっては、社会通念上儀礼の範囲を超えるものに限る。)その他これらに類するものとしてされるものを含む。)を受けること。

(2) 利害関係者から金銭の貸付け(業として行われる金銭の貸付けにあっては、無利子のもの又は利子の利率が著しく低いものに限る。)を受けること。

(3) 利害関係者から又は利害関係者の負担により、無償で物品又は不動産の貸付けを受けること。

(4) 利害関係者から又は利害関係者の負担により、無償で役務の提供を受けること。

(5) 利害関係者から未公開株式(金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第16項に規定する金融商品取引所に上場されておらず、かつ、同法第67条の11第1項の店頭売買有価証券登録原簿に登録されていない株式をいう。)を譲り受けること。

(6) 利害関係者から供応接待を受けること。

(7) 利害関係者と共に遊技又はゴルフをすること。

(8) 利害関係者と共に旅行(公務のための旅行を除く。)をすること。

(9) 利害関係者をして、第三者に対し前各号に掲げる行為をさせること。