琵琶湖市民清掃に関する補助金問題をめぐり、大津市監査委員事務局がちぐはくな対応をしている。問い合わせに対する職員の回答は、そのたびごとに変わっている。市民に対する説明責任を果たしているとは言えず、監査業務そのものの信頼性も揺らぐ事態となっている。

本サイトは今年1月から、京都新聞が昨年12月末に報じたのを受け、「不適切な実態」を次々に報じてきた。監査委員事務局に対しても情報提供した。しかし、それから約4か月間、事務局からは音沙汰がなかった。

5月14日には、電話での問い合わせに対して職員の1人が、「監査委員としてどう対応したらいいか考えていた。監査は行わず、環境政策課に、口頭で指導した」などと回答した。これを受けて本サイトも「監査委員 動かず/「補助金不透明」の報道に/市民清掃№22」の形で5月23日に報じた。監査委員はこの件について定期監査も、臨時監査も行っていない、つまり、動かなかったと伝えた。

しかし、監査委員事務局は5月25日になって、それまでの説明をあっさり覆した。送られてきたメールの中で、実は「定期監査を行っていた」というのである。定期監査は今年3月までに完了し、その結果を4月17日に報告(公示)した、という。タイミングからすると、本サイトが「監査委員 動かず」と報じた2日後。そう報じられたら困るとばかりに、メールを送ってきたと考えられる。

5月14日の問い合わせ時点で、「監査は行わず、口頭で指導した」と職員が説明したのは何だったのだろうか。なぜそのような説明をしたのだろうか。疑問は晴れない。

年に2度しかない監査結果報告(公示)が出たばかりなのに、その内容を、事務局職員が把握していないという事態に陥っているのか。実際のところは、監査を行ったか、行わなかったの区別さえつかないような、おざなりの調査だったため、職員が「監査を行っていない」と勘違いしたのではないか。職員の対応もお粗末なら、監査の内容も推して知るべし、ということかもしれない。いずれにしても、監査委員の仕事に対する、市民からの信頼は大きく揺らいでいることは間違いない。

■監査委員の動き

2014年

12月末 京都新聞が報道

2015年

1月 本サイトから監査委員事務局に情報提供

(〜3月末 監査委員が定期監査を実施)

(4月17日 定期監査の結果を公示)

5月14日 問い合わせに対し事務局職員が「監査を行わなかった」と説明

5月23日 本サイトが「監査委員 動かず」という記事を掲載

5月25日 事務局がメールで「定期監査を行った」と説明