「正しいことを正しいと言える世の中にしたかった」。15年前に大津市に訴訟を提起した加藤英子さんが、当時を振り返った。現在、「しが自治会オンブズパーソン」は解散し、加藤さんは比叡平でのんびりとした生活を過ごしている。しかし、穏やかな生活の中でも「おかしいことはおかしいときっちり言う」という強い信念は健在だ。

比叡平の自宅で、今も続く大津市と自治会のおカネの問題、不透明な補助金事業について話を聞いた。

ー加藤さんが訴訟を起こした15年前から、大津市は何も変わっていないのはどうしてですか?

「大津市にやる気がない。山田市長(当時)が辞めて、目片市長(前)、越市長(現)と続いたが、市長たちは、市長の職として本気で改革に取り組んでいるのか疑問。当時は、大津市の『やります』『改善します』という言葉を信じた。『実行する』という行政の言葉を信じるのが市民。『反省した』と言っていたので、少しはマシになったとずっと思っていた。現実はそうなっていなかったことを聞いてあきれ果てた」

ー自治会の体質を変えるためにはどうしたらいいですか?

「現在の地域において、自治会長の成り手がないのが現状だ。行政と闘ってでも、自分たちの住みよい街を作ろう、市をよくするという信念を持った若い人に自治会長をしてほしい」

ー大津市の体質を変えるにはどうしたらいいですか?

「20年以上前に海外に留学した人たちと交流がある。『日本は恥を知らない国になった』ということを、みんなが言っている。外から見た日本、外から見た大津市。外部から内側を見る感覚が大津市にはない。大津市のトップが変革するという意識を持たないと変わらないのでは。私利私欲に走るような人がトップになったら絶対ダメ」

ー自治会に補助金を出す必要はありますか?

「自治会の会員が、自分のお金で運営すべきで、補助金から出す必要はない」

ー琵琶湖市民清掃は、市民がダシに使われているのでは?

「市民清掃ということで、市民に呼びかけているのだから、大津市のHPで堂々と収支を公表したらいい。隠すのはおかしい。これぐらいの公金を使って、こう飲み食いに使いましたと自治連の幹部が市民に言えばいい。恥じる行為ではないと思うのなら、市民に説明しなさい」

ー越市長について思うことは何でしょうか?

「子どもの施策だけをしきりに言っているが、それ自体も本当に出来ているのか疑問。もっと身近な問題をしっかり見て改革してほしい」

2015年5月29日/比叡平の自宅で
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