大津市自治連合会の幹部らと琵琶湖ホテルで開いている宴会は「社会通念上儀礼の範囲に止まる程度の接遇として許容される」ー。大津市の市民部長は、市民からの質問にこのように回答していたことが分かった。宴会は1人当たり8000円から9000円の豪華版。市の幹部は、その一部をポケットマネーで支払っており、問題はないとしている。しかし、琵琶湖ホテルの豪華な宴会でなければ意見交換ができないのか。市民感覚からの疑問は晴れない。

懇談会(宴会)は、「学区自治連合会長から地域の実情や市政に対する要望や意見を聴き、市政に対する理解を深め、意見交換しながら、今後の市政運営に反映させること」が目的だとして、その必要性を強調している。しかし、なぜ琵琶湖ホテルの宴会場でなければ目的が達せられないのか、説明がない。

しかも、どのような要望や意見を聞いたのか、どのような意見交換がされたか、大津市にとっては公務であるのに、記録が一切残されていない。どのような市政運営に反映されたのかも不明。

さらに、任意団体の大津市自治連合会の事務局は市役所内に置かれている。自治協働課の職員と、連合会の臨時職員は、日頃から机を並べて仕事をしており、常に意見交換ができる環境下にある。また、2014年の会議日程によると、市役所内で約22回ほど、自治連合会の会議が開かれている。高級ホテルでわざわざ宴会を開く必要があるのか、今回も説明がなかった。

大津市市民部長の回答書(自治協働課発信)

【市民部長見解】
1.過去、自治会へ不透明な公金の支出を市民から批判されていましたが、各自治会の経理の透明性の確保のため、大津市はどんな整備をしましたか?

本市の交付する補助金に関しては、公平性、透明性を確保し、公益性の視点に基づいた適正な運用を図るため、平成24年度に大津市補助制度適正化方針を策定しました。この方針に沿って交付要綱や交付基準を整備し、事務の適正な執行を図っているところです。

2、懇談会の1万円支出は不適切と裁判所の判決を受けて食糧費の見直しをされたのでしょうか?

判決を受け、本懇談会の食糧費を1人あたり6,000円で予算措置しています。

3、市と自治会の懇談会は、訴訟後、どのような形に変わったのでしょうか?

判決において、地方公共団体が事務の遂行過程で社会通念上儀礼の範囲に止まる程度の接遇を行うことは、当該事務に随伴するものとして許容されるべきものであるとされています。
そして、本市が学区連合会の代表者である学区自治連合会長と懇談の場を持ち、学区自治連合会長から地域の実情や市政に対する要望や意見を聴き、市政に対する理解を深め、意見交換しながら、今後の市政運営に反映させることを目的とした本市と新旧学区自治連合会長との懇談会については、市民の声を市政に反映させ、市民に対して市政への理解と協力を求めることに資するものとして、本市の事務の遂行と関連するものであると認められ、社会通念上儀礼の範囲に止まる程度の接遇として許容されるとされています。
また特段、形式を変更する必要性が生じていないため、本会の形式の変更はしていません。

平成27年度の大津市自治連合会の総会資料/非公開「大津市には存在しない」

img004_01