補助金の不適切な使い方が問題になっている琵琶湖市民清掃で、主催する任意団体「琵琶湖を美しくする運動実践本部」の総会資料が200部しか印刷されず、712ある各学区自治会やボランティア参加の市民には配布されていないことが16日までに分かった。その一方、「実践本部」事務局が置かれている大津市の環境政策課が、総会資料についても印刷から保管、管理まで、実務を代行していることも明らかになった。つまり、大津市側からすると、「実践本部」の実務に大きく関わっていながら、事業内容が市民に周知されていない実態を容認していると言える。また「実践本部」側からすると、実務を大津市に丸投げしているという実態が浮き彫りになった。

問題の「総会議案書」はA4判27ページ。市環境政策課の職員は「総会の時、登録している参加団体の学区自治連合会長には総会資料を渡している。「各自治会には実施要綱を説明して下さいと伝えている」と話している。つまり、総会資料を総会に参加した各自治連合会長ら数人と参加団体にしか配布せず、下部に位置する712の各学区自治会や、住民一人ひとりにまでは行き渡っていない実態を認めている。

一方、「実践本部」の総会資料の作成や印刷、配布などの事務作業は、本来「実践本部」の業務。しかし、市環境政策課の職員の証言からすると、「実践本部」は業務の一部を市が日常的に代行している実態も浮かび上がった。総会資料の作成部数は、約200部。「市民の自主的な活動」であるのにもかかわらず、実践本部役員が総会資料を自ら作成することなく、市環境政策課が市役所内で印刷作業している。

2013年度の総会資料の収支決算書によると、前年度は約566万円が市からの補助金として計上されている。約564万円の決算額で、残額は28,268円。単年度でほぼ使い切っている。総会は2013年5月、市役所内で開かれている。

参考資料1「2013年 琵琶湖を美しくする運動実践本部/総会資料」

参考資料2「2013年 琵琶湖を美しくする運動実践本部/2012年度収支決算書(収入)」

参考資料3「2013年 琵琶湖を美しくする運動実践本部/2012年度収支決算書(支出)」

H25年度琵琶湖市民清掃/総会資料