大津市の越直美市長が「支所に新機能を持たせる必要はなし。高齢者支援は全部民間委託」と市民センター機能のあり方検討会議で発言していた。当初、市民部が越市長に提示した新規(案)には、高齢者福祉機能として、高齢者支援のための地域拠点の方向性が出されていたが、早い段階で却下されていた。超高齢化社会の中、越市長は、行政がやるべき高齢者福祉機能を民間に丸投げさせる考えを明らかにした。

委託では虐待の立ち入り調査権もなし

大津WEB新報がファイルしていた2009年の産経新聞記事に、現在の越市政の問題につながる内容があった。地域のセーフティーネットを地域包括に丸投げする自治体の問題。この記事の中で「介護保険で解決できない課題に対処するのは本来、福祉行政の仕事。しかし、このような業務まで地域包括に任せる『丸投げ自治体』もある」という立教大学教授の批判的な声を取り上げている。記事では「委託では、虐待の立ち入り調査権もない」という委託運営を止めた自治体の職員の声もとりあげている。

↓ウィキペディアより抜粋/地域包括支援センター

地域包括支援センター(ちいきほうかつしえんセンター)は、介護保険法で定められた、地域住民の保健・福祉・医療の向上、虐待防止、介護予防マネジメントなどを総合的に行う機関である。各区市町村に設置される。2005年の介護保険法改正で制定された。センターには、保健師、主任ケアマネジャー社会福祉士が置かれ、専門性を生かして相互連携しながら業務にあたる。

法律上は市町村事業である地域支援事業を行う機関であるが、外部への委託も可能である。要支援認定を受けた者の介護予防マネジメントを行う介護予防支援事業所としても機能する。

運営に関して
  • これまで市町村の在宅支援センター等で行われていた相談業務等を外部委託できることにより市町村窓口負担の軽減がされている。
  • 専門的な知識を持つ職員によりきめ細かい相談業務が行われている。
  • 人口が10万人を超える都市や小規模自治体の一部は外部の法人(社会福祉法人等)に対してそれぞれ地域毎に委託運営されているが、委託形式の場合立ち入り調査等に関して一定の制限が設けられている為に虐待等の発見及び対処が十分にされない場合がある他、相談援助を希望してきた高齢者及びその家族に対する地域の事業所紹介が運営受託法人優先になる傾向があり、利用者・関係事業者への公平な対応がなされていない現状もある。
  • 受託法人が社会福祉法人に事実上限定されるために、特定の法人による地域への影響力が増す事例もある。
↓市民センター機能のあり方検討資料/機能の見直しの方向性/新規(案)は市長により却下