大津市はなぜ市役所の窓口に監視カメラを設置しているのだろうか? 市民が情報公開条例に基づき、市役所を訪れ、公文書の開示請求を求める際にも、市民の姿を隠し撮りする。理由の説明は1ヶ月半で、二転三転している。その場しのぎで、一貫性はない。市議会でこの問題が取り上げられる動きがわかると、慌てて監視カメラの一部を撤去し、その場を取り繕うとする。大津市の言葉はどこまでも軽い。

時系列で整理すると、以下のようになる。

7月21日 滋賀報知新聞が報道。市政情報課は「教育長襲撃事件のように職員がケガをすればだれが責任を取ってくれますか。監視カメラは絶対に必要」。
7月25日 大津WEB新報が、市政情報課が監視カメラを設置したのは2012年3月で、教育長襲撃事件の前だったと報道。
9月1日  滋賀報知新聞が、県内の19市町の本庁舎内の監視カメラの設置状況を調査。大津市が61台で断トツ。映像だけでなく、録音、集音マイクも併せて13台設置していることを報道。
9月2日 大津WEB新報が、 個人情報保護法は、映像や音声であっても、それによって特定の個人が識別できる場合には「個人情報」に該当し、利用目的をできるだけ特定し(15条)、その範囲内で取り扱う(16条)ことが必要と規定していると報道。
9月9日 市政情報課が窓口の監視カメラを撤去。「防犯目的で設置したが、実際には犯罪は起きておらず必要性は低いと判断した」と課長。
9月13日 大津市議会本会議で上野隆平総務部長は、監視カメラの一部を撤去する方針を表明。(14日付中日新聞が報道)

「防犯目的で絶対に必要」としていたが、設置した時期は教育長襲撃事件よりも前の2012年3月からだった。9月に入ると、説明は一転し、足立人志課長は「必要性は低い」。市議会で問題化される動きがあると、撤去してしまう。

市議会で上野隆平総務部長は、設置の理由として「施設管理や防犯、安全対策、不当要求対策、情報管理対策、災害監視など」を挙げた。市政情報課ではどれが該当するのだろうか。少なくとも「災害監視」は該当しないはずだ。

窓口に訪れる市民には監視カメラで撮影していることを告知せず、隠し撮りを続けてきた。市民になぜ説明しなかったのか。市民の人権を侵害する恐れがあるとは考えなかったのか。撮影した映像の管理はどのように行っていたのか。運用の経費はどれだけかかっているのか。こうした疑問に対して、大津市は説明責任を果たさなければならない。

 

↓9月9日に撤去した大津市市政情報課の監視カメラ

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↓7月21日付滋賀報知新聞の撮影写真

 

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