大津市は、今後の地域の防災機能を「住民主体で運営することを基本とする」として、地域に丸投げする意向を「市民センター機能等のあり方検討」で示したが、地方自治体としては最低レベルの構想ということを、東北出身の大津WEB新報スタッフが解説する。

大津WEB新報スタッフは、東日本大震災の2カ月後に、福島・山形の避難所や福島県社会福祉協議会を視察して、現地の状況をつぶさに取材した。さらに、2011年3月に最も多くの被災者を受け入れした山形県の報道記事も入手している。

記事は、2011年3月16日の読売新聞の報道。巨大地震と原発事故で生活の場を突然失った人々が、着のみ着のままで、車のガソリンが続く限り逃げてきた状況が報道されている。震災から5日後の山形県内の避難所は満杯で、県や自治体の迅速な対応を求める声が出ていた。

大津市は大規模な災害が発生したら、「住民主体の運営」を大津市民に行なえという。さらに、「自主的な避難所運営の体制」も構築せよという。東日本大震災と福島原発事故の直後に何が起こっていたかを踏まえれば、これらは実現することは100%不可能であることが分かる。

地域の誰が、どのような組織体制で、何を行うのかを示さず、できるわけがない。避難所運営の経験もなく、緊急時の連絡体制も知らないのに、何ができるというのか。防災担当を担わされた民間人が、家庭の事情で県外へ避難したら、その後はどうなるのか。「支援」、「構築」、「連携」という言葉を羅列しただけの、雲をつかむような防災機能についての検討資料しか出せないのが今の大津市だ。無責任にもほどがある。無為無策の大津市とトップの越市長は、危機的な状況だ。

↓大津市の市民センター機能等あり方検討資料の一部