利害関係者でも立食パーティはOK-。大津市は昨年11月に決めた「自治会との懇談会廃止と縮小」の方針を、わずか2カ月で転換していたことが、情報公開請求で入手した文書から明らかになった。伊香立学区自治連合会による副市長らのコンパニオン接待が表面化し、大津市は市民からの批判に抗しきれずに、「廃止と縮小」を決めたはずだった。しかし、大津市は公に説明がないまま、元の姿に戻ろうとしている。 

上野隆平総務部長が1月4日付で出した文書によると、「利害関係者と懇談会では供応接待を認めるケース」として、「多数の者が出席するパーティー等(飲食物が提供される場において、立食形式その他公開性の高い形式で行われるものをいう)」を挙げている。

わざわざ解説を加え、「多数の出席者から見られている中で利害関係者から飲食物の提供を受けたとしても、市民の疑惑や不信を招くおそれがあるとは考えにくいことから、これらケースは例外的に認められます」と、正当性を主張している。

大津市は昨年11月、上野総務部長から各部宛で、「本市主催の宴席を伴う懇談会の廃止について」という通知文を発信。文書の中で、「関係団体が主催する宴席を伴う懇談会の出席要請についても、対応の見直し及び縮小に向けて積極的に検討されたい」としていた。

その背景には、国土交通省から出向していた伊藤康行副市長(当時)ら市職員が、伊香立学区自治連合会から、自治会負担で飲食やコンパニオン接待を受けていた事実が発覚。新聞報道もされ、市民やメディアから強い批判を浴びていた。市民やメディアは、市主催かどうか関係なく、大津市と自治会の不適切な懇談会に対して、見直しを求めていた。

越市長は記者会見で、そうした批判の声を受け、「市主催の自治会との懇談会は廃止」を表明した。「私自身は、懇親会自体も、コンパニオンがどうこうではなくて懇親会自体をやめようということは、この件に限らず、市全体として話してきたことがあります」と各社報道陣に向けて、改善をアピールしていた。

↓上野総務部長が1月4日の部長会で配布/大津市と市民(団体)との懇談会のあり方の整理

↓過去の参考記事の一部

現総務部長もコンパニオン接待/大津市が24万円負担/伊香立自治連と計40人/地区環境整備事業№60

 

伊香立の自治会負担で飲食/伊藤副市長ら市幹部/コンパニオンも同席/中日新聞が報道/地区環境整備事業№42