琵琶湖市民清掃の補助金の使い方をめぐり、チェック機関の大津市監査委員から改善指導を受けた市環境局環境政策課が、「自治会の良識に任せていた当時の判断に問題はない」と、これまでの市の対応を正当化する見解を示していることが、5月31日付の京都新聞の報道で明らかになった。

「自治会の良識に任せていた」ー。これほど市民を愚弄する言葉もないだろう。なぜなら、大津市と自治会はいわば「お仲間」だからである。自治会側の補助金の使い方に問題があることを、大津市は熟知する立場にある。

琵琶湖市民清掃の補助金を受け取っている「琵琶湖を美しする運動実践本部」の幹部は、大津市自治連合会の幹部が兼ねている。大津市の職員と自治連の幹部は、毎年、琵琶湖ホテルで豪華な懇談会を繰り返していることからも分かるように、両者は極めて親しい間柄にある。大津市は「意見交換が必要」との理由で公費を使ってまで、自治連幹部と懇談の機会を設けている。琵琶湖市民清掃の補助金を自治連幹部がどのように扱っているのかも、知らないわけがない。

自治連の幹部が補助金を使いたいように使っていることを黙認しておきながら、新聞社の取材に対して、「自治会の良識に任せていた」と、公にコメントし、平然としている。まるで「自分たちは市民を疑うことのない、善良な公務員です」と胸を張っているようだ。実際は、実態をよくよく知っているのに、純真無垢を装う。公務員としての「良識」が欠如していると言わざるを得ない。

環境政策課に少しでも「良識」ある職員が存在するとすれば、「自治会の良識に任せていた」という言葉の代わりに、「自治会はお仲間なので黙認していました」などとコメントすべきだろう。

なぜ、自治連や自治会に対してだけはそんなに甘いのか。「より透明性を高める」と言うならば、大津市は市民に対して十分説明せねばならない。

参考記事「大津市の琵琶湖清掃補助金支出/市監査委「確認不十分」/領収書添付厳格化へ/2015年5月31日 京都新聞」

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