琵琶湖市民清掃に使うためとして、約3万3000枚の土嚢袋が、民間業者1社に一括発注されていたことが、2010年度の実績報告書で明らかになった。事務局の環境政策課が約85万円で手配した土嚢袋は、各支所へ納品され、支所長が受領印を捺していた。36学区の中で、1学区最大4000枚が割り当てられている。

ボランティアの市民に対して、主催者側は「土砂、石、泥類は、地域の植え込みや道のくぼみなどに埋めるなど、できるだけ地域で処理しましょう」(実施要項)と、ごみとして運ばないよう呼び掛けている。その一方、自らは大量に購入していた。なぜ大量の土嚢袋が必要なのか、また実際に全て使われたのか、謎は深まるばかりだ。

「琵琶湖を美しくする運動実践本部」が主催する市民清掃は年1回。市民にボランティア清掃を呼びかけ、午前中でほぼ清掃作業は終了する。製造会社によると、発注されたサイズ(2号)の土嚢袋には約25キロの土が入るという。3万3000袋すべて使ったとすると、単純計算で合計825トンの土嚢が集められ、トラックなどで運ばれたことになる。ボランティアの市民が数時間の作業で、これほど大量の土嚢を袋に詰め込み、トラックに積む重労働を行った形跡はない。

 

H22年土嚢袋/釜茂領収証一括 H22年土嚢袋・支出伝票/釜茂 H22年実践本部の土嚢袋購入/学区振分一覧