大津市自治連合会の運営補助金(2014年度分)は、その使途が市民感覚からかけ離れていたことが情報公開請求の資料により、明らかになった。60年記念事業式典に約200万円、その直後に団体旅行に約109万円を使っていた。
大津市自治連合会はこれまで、実績報告書に支出伝票を添付しておらず、活動内容が外部から全く見えていなかった。今回ようやく活動の一端が明らかになったが、不透明な部分は多く残されている。
問題の支出伝票の1つは、2014年11月6日からの視察研修費約109万円分。その直前の10月31日には、琵琶湖ホテルで60周年記念事業式典が大々的に執り行われた。こちらの自治連合会会計から捻出した費用は約200万円だった。
秋季研修名目の団体旅行は、京都府福知山市と兵庫県朝来市へ。年間予定表によると、視察のテーマは「自治会活動における防災、減災、まちづくりについて」で、日程は11月6日と7日の1泊2日。
実績報告書には、視察先の関連資料は1枚も添付されていないので、宿泊地や研修内容は不明である。参加者名簿も添付されていない。視察といいながら、参加者は報告書すら提出していない。補助金を支出している大津市も報告書の提出を求めていないことになる。
大津市自治連合会の視察旅行は、春季に行なわれるのが恒例だが、2014年度だけは秋季に日程が変更になると、自治協働課の職員が説明をしていた。60周年記念事業式典が終わり、その直後の視察研修は、幹部だけの打ち上げ、つまり慰労会の性格が濃いとみられる。
大津市行政改革推進課の「補助制度適正化基本方針」には、補助対象とならないものとして、「慰労的な要素の強い旅費及び補助効果に結びつかない視察旅行など直接事業の実施にかかわらない視察旅費と判断されるもの」と書かれている。