凍結中の大戸川ダム工事をめぐって、地元の12の自治連合会でつくる「大津市南部自治連協議会」が、国の近畿地方整備局などの幹部をホテルの懇親会に招待し、「ダム建設」の要望書を提出していたことが明らかになった。大戸川ダムは2009年から「全国検証対象事業」に指定されており、国は地元から多様な意見を聞く必要がある。しかし、このようなイベントは、「中立性」が大きく損なわれるとの批判が出ている。

情報公開請求で入手した2009年からの資料によると、南部自治連の懇親会は2011年8月25日に、ロイヤルオークホテル(大津市)で開かれている。ここに参加したのは、国土交通省近畿地方整備局からは大戸川ダム工事事務所の所長、琵琶湖河川事務所の所長、滋賀県からは大津土木事務の所長ら。大津市からは、2010年まで目片信元市長はじめ、技術統括監、都市計画政策監、建設部長、市民部長、各支所の支所長ら、建設部と市民部の幹部職が参加していた。

民間からも西日本高速道路(株)の社員らが参加。合わせると、毎年約34人が出席している。資料によると、2011年以降、市長は参加していない。

※南部自治連協議会とは

 富士見、晴嵐、石山、南郷、大石、田上、上田上、青山、瀬田、瀬田北、瀬田南、瀬田東の各自治連合会の代表者(連合会長)をもって構成している団体。大津市自治連合会の別動隊と言える。参加学区は、年7回ほどあるロイヤルオークホテルでの会議と懇親会に参加している。毎回、懇親会費として1万円前後の食事代を学区自治連合会長から徴収。会費や参加費は各学区自治連合会の会計から負担している。協議内容は、南部自治連合会から国や県へ提出する要望書についてで、その中身の中心は、大戸川ダム工事の継続実施、道路や河川などの整備工事の要望である。活動には不透明な部分が多く、ほとんどの住民に、その存在が知られていない。

↓2009年南部自治連協議会の出席者名簿

南部自治連/平成21年

↓2010年南部自治連協議会の出席者名簿

南部自治連/平成22年

↓2011年南部自治連協議会・第2回次第

南部自治連/平成23年

↓2011年南部自治連協議会・第2回座席表

南部自治連/平成23年座席表

 

↓2013年南部自治連協議会・第3回式次第

南部自治連/平成25年