大津市議会で清水ひとみ議員(公明)が、「自治会加入促進策を進める」ことを提案していたが、自治会に加入することが、市民にとってどういうメリットがあるのか、質問の中で説明されていない。その代わりに、自治会員でもあり、自治会の役員も、協議会の役員も務めた経験のある大津WEB新報のスタッフが解説する。

形骸化した行事へ会員を動員

まずは、自治会に加入することで、市の形骸化した行事に無理やり動員をかけられ、多くの人が参加したという予算算出の実績作りに利用される。自治会員の有意義で貴重なプライベートな時間が奪われる。形骸化した行事は、市民のため行事ではなく、自治連合会役員の打ち上げ飲食のためのものが多い。

会員でも収支や運営実態はわからない

自治会員でもある大津WEB新報のスタッフが、活動実態が把握できる「大津市自治連合会の総会資料」を取りに行くと、大津市自治協働課の職員は「焼却した」と発言したことがあった。情報公開請求をすると「自治連合会は市の関係団体ではない」との理由で非公開だった。大津市ホームページで、自治会加入を呼びかけ、大津市自治連合会に補助金を垂れ流しながら、収支や活動実態を構成員の会員に見せない。そんな前近代的な運営を、大津市自治連合会が60年以上も続けられたのは、市民の声を拾わない市議会の問題でもある。

自治会の加入は「任意」が原則

大津市の「自治会加入促進策」は、大津市と自治連合会、そして、不透明な運営実態を知っていながら、追従する市議会議員が一体となって進められている。誰のための自治会なのか。幹部だけが好き勝手に補助金を使い、その一方で使い方を説明しない。それでは「自治会入れ、入れ詐欺」に等しいと、市民の間で批判が高まり、離れて行っている。自治会は任意加入が原則で、市や市議会議員に強制されるものではない。市議会で質問に立つ以上、清水市議は大津市の自治会の実態を一から勉強し直した方がよさそうだ。

参考記事:大津市自治協働課の「存在しない文書」/大津市自治連合会の議事録も総会資料も/自治会№22

参考記事:大津市自治連合会の総会資料を焼却?担当課長は自宅に保管?/自治会№11